電気とガスをまとめたい理由

 

 久しぶりに、二つの疑問が1つに繋がって解決する瞬間があった。

 

 一つ目の疑問は、なぜこんなにも盛んに電気とガスをまとめたがるのかということだった。

 東京電力や東京ガスばかりでなく、エネルギーとは関係無さそうなケーブルテレビや携帯電話会社からも頻繁にダイレクトメールが届く。

 どこの業者も一定の特典を打ち出しているということは、それを差し引いても利益が出るということだろう。

 更に、エネルギーを作ったり仕入れて各家庭に供給するのはこれまで通り電力会社やガス会社であることは変わらないらしい。

 何がどうしてそうなるのか全く理解できなかったが、突き止めようと思うほど重要性を感じなかったので放置していた。

 

 二つ目の疑問は、こんなにも世の中のリモート化が進んでいるのに、なぜ電気やガス料金の請求は、検針員が一軒一軒のメーターで使用量を目視し、それを紙に出力して郵便受けに投函するという理解しがたいほど原始的な方法をとっているのか、ということだった。

 しかも昨今では、日々、どの電化製品に、どれだけ電気が消費されているかまで分かってしまうのに、である。

 これも疑問に思いつつ、どうでもよかったので放置し、いつの間にか忘れてしまっていた。

 

 しかし先日、スマホの機種変更のため携帯ショップに寄った際、自社の電気とガスに変えると料金が割引かれると強く勧められたので、その内容を聞いてみたところ、電気もガスも供給会社はそのままで、請求だけが自社に一本化されると考えてもらって構わないということだった。そして、プロパンガスやエネファームなどは対象外で、ガスメーターをスマートメーターに変更する必要があると聞いて、先の二つの疑問が一つに繋がってしまった。

 

 要するに、エネルギーを作ったり貯蔵する巨大な設備や、それを各家庭に供給するインフラなど持っているはずのない新規参入のエネルギー会社は、殆ど、料金回収の代行をしているようなものなのだ。

 例えば東京電力が東京ガスの料金回収を代行すれば、自社の検針員が電気のついでにガスの使用量を確認するだけで済む。東京電力は労せずして東京ガスから代行料に相当する利益を得ることができ、東京ガスも検針員を雇う必要もなくなる。そして、その逆もまた然り、ということなのだ。

 また、携帯電話やケーブルテレビなどの通信会社は、光回線やスマートメーターの設置によって電気とガスの使用量をリモートで把握することができるから、通信会社に電気やガスを売るエネルギー会社と、それを買う通信会社の双方にとって利益が生じる。

 

 自分の中でそう理解したが、違うだろうか。ま、どうでもいいっちゃどうでもいい話かもしれないが、そういうことならもっと消費者に還元してほしいものである。